2015年に最終決戦、「帝国」は崩壊する
――そのために戦争が必要となる
By Andre Vltcheck
December 28, 2014 (Information Clearing House)
――そのために戦争が必要となる
By Andre Vltcheck
December 28, 2014 (Information Clearing House)
昨夜北京で、私はたまたま中国のある女性外交官と、有名な四川料理の店で同席した。いろんな話題を交換し、食事を注文した。すると突然、私の喉がつまり、眼がかすんだ。
私は頭を下げ、中国がロシアを助けるために示してくれた温情にお礼を述べた。
ホテルを出る直前、私はRTで次のニュースを読んだ――
中国外務省は、制裁と石油価格下落のために経済の下降に直面するロシアに対し、援助を約束した。中国元での取引を盛んにすることが北京通商省の提案する解決策だ。
月曜日のチャイナ・デイリーによれば、王偉外相は、「ロシアは現在の経済的困難を克服する能力と知恵をもっている。もしロシア側が必要なら、我々は力の及ぶ限り必要な援助を提供する...」と記者団に話した。
この場合、北京で、決して私はロシア連邦を代表していたわけでなく、私の友人も、その夜の夕食の席で、中国を代表していたのではなかった。それは数人の友人たちとの私的な会合にすぎなかった。
私は実は、「公的には」ロシア人ではない。確かに私はレニングラードで生まれたが、生涯のほとんどすべてを他所で過ごした――正確には、世界のあらゆる場所で。そして私の血管内で、それが特に重要でもない。私は混血であり、私の血管を流れているのは、ロシア、中国、ヨーロッパの入りまじった血液だ。
しかし最近、ロシア人であることは、私にとっても他の多くの人々にとっても、単なる血以上の意味をもっている。「私は反逆者だ、したがってロシア人だ」と、アルベール・カミュを真似て言うことができる。あるいは、「私は闘争を放棄することを拒否するがゆえに、ロシア人だ。」Ya Russkii!(私はロシア人だ!)Cubano soy! (私はキューバ人だ!)――そう言うだけで気分がよく、誇りと力を与えてくれる。
***
世界はいま混乱の只中にある。1940年代初期のように、何か途轍もないもの、取り返しのつかないものが、形を取ろうとしている。
我々ほとんどすべての者たち――この「帝国」を分析しようとして、彼らのプロパガンダや、それが拡散させるニヒリズムや、この地球のあらゆる隅々まで伸ばした毒をもつ触手と戦ってきた者たちは、西側の帝国主義を“宥めすかす”ことは、はっきりと不可能であり、非現実的であり、不道徳でさえあることを知っている。
ジョージ・W・ブッシュが(明らかに逐次解釈派キリスト教のレトリックを借りて)「あなた方は我々につくか敵対するか、どちらかだ」と好んで言ったように、諸国はいま明らかにその瀬戸際に立たされている。彼らは、西側のネオ植民地主義教義を受け入れるか、それとも、イラク、アフガニスタン、リビア、シリアのように、次々と破壊されるか、どちらかだ。
理屈は通らない、交渉も、国連による国際的調停も不可能。妥協の意欲を示すと一蹴される。単純な人間の同情に訴えることは、「帝国」の支配者たちには全く無効だ。
帝国が最後の攻撃の準備をしているのは明らかである。彼らが後ろへ下がることはない。彼らは攻撃し、破壊し、殲滅するだろう。いつかは分からないが、必ずそうする。そしてそれは遅れるよりは早まるだろう――しかも恐るべき暴力が用いられるだろう。
こう尋ねる人があるかもしれない――「なぜ今なのか?なぜ今、惑星の全面支配を得るための最終決戦を、それほど急がなければならないのか?」
答えは非常にはっきりしている。「帝国」に対する世界の反感が、今始めて、広範囲に起こってきたからである。多くの人々が盲目を癒されつつある。
善意と合理主義の仮面は引きはがされつつある――ラテンアメリカ、ロシア、中国、イランなどの諸国にベースをおく強力なメディアによって、また、独立メディアが次第に重要な役割を果たすようになった北米においても。それはもはや、何か込み入った“客観性”といった問題でさえなくなった。事態を正しく捉えるには、ファッシズムを遠慮せずファッシズムと呼ぶこと、そして「帝国」があらゆる大陸で行っていることを、大量殺人と呼ぶことが肝要である!
仮面は落ちた。そして今現れたのは恐ろしい怪物の顔である――血と膿、貪欲の薄ら笑いと無慈悲の牙をもつ顔だ。それはいまだに自己愛に溺れ、自分の恐ろしさを見ることのできないでいる顔である。それはいまだに自分の原理主義的宗教教義を誇りとしており、それを“宗教的”としてさえ見ていない。それは自己正当性の上に胡坐をかき、同時に、あらゆるもの、あらゆる人間が売り物であるという、ゆがんだ市場根本主義的信念の上に胡坐をかいている。それは優越感・劣等感、両方のコンプレックスに満ち満ちた怪物である。それは幸福な怪物ではない。
そしてそれが生み出すのは、たいてい悲惨で、孤独で、怯えた人々だ。しかしそれは変わることができない、引き下がることができない、手離すことができない。それは、自分たちが何年も、何十年も、何百年も、完全に間違った道を歩いていたことを認めるよりは、自分の子供も世界も滅ぼしてしまう方がよいと考えている。
ところで今、多くの人々がもう限界に達した。ある人々は怖れることも忘れてしまった!そして怪物はそれを知っている。実は怪物は自分自身も怯えていて、それを怖れない人々を怖れている。
声なき人々の声が今、ますます大きく響き渡り、その証拠が現れている!
インドネシアやマレーシアのような、知識階級や“エリート”が完全にいなくなった国々を除いて、ヨーロッパや北米の植民地主義、ネオ植民地主義の身の毛もよだつ行動が、やっと議論され、分析され、理解されるようになった。
そしてこの怪物、この「帝国」は、これが終わりの始まりだということを知っている。
それは同等の存在として生きることはできない。したがってそれは最後の戦いを戦おうとしている。それは勝とうとするだろう。あるいは世界を滅ぼそうとするだろう。なぜなら彼らにとって、世界を完全に支配できないなら、生きる意味がないからである――彼らの神が支配できないのなら、彼らがその神の託宣の執行者として見てもらえなければ――。
***
私が、ベイルートやアンマンの理髪店に入り、「あなたはどこの国の人?」と問われるとき――ほんの数年前まで、その質問に答えるのは、苦しく、当惑する複雑な思いだった――私はいま単純に「ロシアだ」と答える。すると人々は、やってきて私を抱き「ありがとう」と言う。
それはロシアが完全だからではない。ロシアは完全な国ではない――地上のどんな国もそんなことはありえないのだから。理由はただ、ロシアが再び「帝国」に立ち向かっていること、そして「帝国」は、あまりにも多くの恐怖と屈辱を、あまりにも多くの人々に、世界の何十億の人々に与え、...そして彼ら、あまりにも多くの者たちにとって、「帝国」に立ち向かう者は誰であろうと、英雄だからである。これを私は最近、自分の耳で聞いた――エリトリアの人々から、中国、ロシア、パレスチナ、エクアドル、キューバ、ベネズエラ、南アフリカの人々から――そのわずかの例をあげても。
そしてこれこそ「帝国」が今、もうこれ以上待てず、これほど急いでロシアを挑発している理由である。彼らはいま、比ゆ的に言えば、古代において、厚い氷の上でアレクサンデル・ネフスキーが戦ったような、もう一つの公然たる壮大な戦いに、ロシアを誘い込もうとしているのである。
「帝国」はあまりにも急いでおり、あまりにも怖れているので、これまであらゆる侵略者が学ばねばならなかったことを、考えることも理解することも思い出すこともできないでいる――ロシアを攻撃し、ロシア民族を何百万と殺すことが、いかに難しいかということを。荒廃と火の海、廃墟、涙と墓、墓、墓という事態は起こり得る。息子を埋葬する母親、帰ってきたが焼け跡しか見いだせない息子――。しかしロシアは敗北することはない。世界の存続が危機にあるとき、ロシアは巨大な、強力な、恐ろしい存在として立つ。そして、もしそれが他の国にできないような戦いをするとしたら、それは人類のために戦うのであって、自分自身のためだけではない。そしてそれは勝つ。
そのような時がやってくるとしたら、ロシアを敗北させる方法は一つしかない――全世界を破壊することである。
オバマさんよ、あなたはその用意があるのか?アメリカ・ヨーロッパ企業よ、その覚悟はあるのか?ペンテコステ派、テレビ伝道派、その他の道徳的欠陥をもつ人々よ、その覚悟はあるのか?
考え直すがよい。あと一歩であなた方は、2大国が、そして何十と群小国が、人類の生き残りをかけて戦い始めるのを見るだろう。
あなた方の唯一の強みは、あなた方の大量破壊兵器、したがって恐怖の拡大にある。そしてあなた方の主張のほとんどは、真理でなく、騙しとウソを根拠とすることしかできない。今年、私はあなた方の行為を、イラク、エリトリア、中国、ウクライナ、アメリカ全土、そして中東において目撃した。
***
その恐怖の植え付け、プロパガンダ、“教育”という名の洗脳にもかかわらず、「帝国」はその地球的権力を失い始めている。そしてそれは怯えている。なぜなら、手に鞭を持つこと以外に、生きるすべをそれは知らないからである。地球惑星は、その支配者が不吉で、無情で、堕落していることを理解している――ある人々は論理的に明確に理解しているが、別の人々は、直観的にそれを嗅ぎ取っている。もし本当に地球的デモクラシーが存在するなら、この惑星の人々は、現存の権力構造を犬に投げ与えるであろう。しかしそれは存在しない、今はまだ存在していない。歯の抜けた、いつも屈辱を味わっている国連を見るがよい。ほとんどあらゆる場所で、投票とは、紙切れを箱に入れるだけの意味のない行動になっている。
***
2015年が近づいている。この年の間に、誰が我々人類の存続のために戦っており、誰が抑圧と帝国主義の側、「帝国」の側にいるのかが明らかになるだろう。
来年は、もっともっと多くの国が、不安定化されるか攻撃されるだろう。おそらく何百万という人々が殺されるだろう。それは毎年のことだが、今度ははるかにより多くの人々が殺されるだろう。西側世界のつくり出す“反対運動”や、さまざまのキリスト教グループ、その他の右翼宗教派閥が、帝国主義的抑圧と市場根本主義の側に、頑強に立ち続けるであろう。西側とほとんどすべての“依存国”の保守的なプチ・ブルジョワが、自分たちの特権を守るために戦うであろう。ファッシスト的な家族構造が、子供や若者たちを脅かし続け、彼らに考えさせない、反逆させない、生かさないようにするであろう。
「帝国」は世界中に多くの同盟国をもっているが、彼らの多くはきわめて油断のならない者たちだ。しかし彼らの最も重要な味方は常に、無知、隷属、それに恐怖である。
これに対して、真の革命である我々の革命と、より良い世界を目指すための抵抗と戦闘は、常に知識に基づいていて、要するに愛の行動以外の何ものでもない。
***
我々の先にある戦いはきわめて困難なものとなるだろう。それは大きな国民国家やグループや運動団体を巻き込む、壮大な戦闘になるであろう。
恐ろしいロシアの熊が叩かれて軍事的戦闘へと挑発されようとするとき、大きな中国の竜が防備のとぐろを巻く決意をしていて、この場合には、彼らは西側によって攻撃される弱小国の救済に駆けつけることを、間接的だが明確に宣言している。ニューヨーク・タイムズでさえ次のように報道している――
習近平氏はアメリカを名指しはしなかったが、こう言って、間違いなくワシントンにジャブを食らわせた――「多極世界へ向かう高まる傾向は変わることはないだろう」。これは、唯一のスーパーパワーとしてのアメリカの、冷戦後の役割は終わりに近づいているという、中国の見解を述べたものだ。
目標は、西洋の帝国主義と植民地主義に、決して再び地球惑星を支配させないこと――19世紀の終わりと20世紀の初めに、何千万という人命の犠牲において、彼らがやった無慈悲な行為を繰り返させないことである。
略奪と強姦と占領の数世紀のあとで、西洋は、世界を支配するいかなる天命も受けていない。
絶えず自らの恐ろしい行為を正当化し、栄光化し、この惑星を洗脳して、自分たちが野蛮人たち(残りの世界)に進歩と合理主義をもたらしたのだと信じさせた後で、彼らが、人々を“教化し教育する”役割を与えられることはない。
そのために我々は現在、独立メディアをもつようになり、またヨーロッパや北米の宣伝や洗脳に屈しない国々にベースを置く、強力な、国家主導のメディアをもっている。
このメディアと教育制度は、歴史と現代の物語全体を書き直すべきであり、そうするだろう。例えば――
アメリカ合衆国の“建国の父”たちの知恵を栄光化するのでなく、北アメリカは、土着の人々の想像を絶する苦しみ、キリスト教徒の頑迷と強制改宗、ジェノサイド、土地の強奪などの上に築かれたことを、思い出させるべきである。そしてそれは、“アメリカ人”と呼ばれる、どこかの新しい地球外の種族や民族によってなされたのでなく、すでに何世紀にもわたってアジア、アフリカ、中東全域で殺人を行ってきた、同じヨーロッパのピューリタンや宗教グループによるものであることを、思い出させるべきである。
“新しいアメリカ”は、南北とも、現代を予言するかのように、恐怖、暴力、それに強奪の上に創られた。
我々は、鎖につながれてアフリカから連れてこられた奴隷たちを思い出すべきだ。彼らのほとんどは航海中に死に、女も子供も辱められ、永遠の烙印を押され、男たちの誇りは剥ぎ取られた。
女や少女はその後は畠で鎖につながれ、“ピューリタン”の白人農夫の性的玩具になった。男や子供の、少なくとも生き残った者たちは夜も昼も働かされた。
すべてこれらは、十字架と進歩と“民主主義”の陰にかくれて行われた!
これがアメリカ建国の実情である。これが“自由の国の偉大な始まり”の本当の物語、実話である。
これは隆盛と華美を誇ったヨーロッパでも同様であり、西洋の体制が常に機能してきたやり方だった。
我々はこの種の世界が、あと数十年も、数世紀も続くことを望むだろうか?
私は、パリジャンやロンドナーやニューヨーカーにこれを訊ねているのではない。私はこれを、ジャカルタの腐敗した実業家や、キンシャサの道を踏み外した説教者や、キガーリのトップ軍人層や、グアテマラの殺し屋封建領主に訊ねているのではない。
いかなる人道主義者も、いかなる同情をもつ人間も、この種の腐った世界を望む者はいない!
そして今、歴史上初めて、人々は怖れずそれを言うようになった――あるいは少なくとも、聞いたり読んだりするようになった!
***
“平和”とは、あらゆる手段を用いて勝ち取り、維持すべきもののことだ――と、我々は繰り返し繰り返し聞かされてきた。
しかし、どんな平和を我々は目指しているのか、また誰のための?
「帝国」が望んでいる“平和”協定とは、キューバやロシア、ベネズエラや中国のような国々が、引き下がって、あきらめ、降伏するような平和である。それは平和ではない!
我々は、ヨーロッパと北米の主人によって支配され、一部の奴隷は汚物の中を這うような、そんな世界に、平和に生きるように求められ命じられている。
我々は、この人種差別的、帝国主義的なシステムがそこに築かれている、この唯一の宗教的ドグマに屈服するように期待されているのだろうか?
何という展望、何という平和だろう!
彼らにとって、帝国主義的西洋にとって、平和は一つの意味しかもたない――反対されない惑星支配のことだ。
もし誰かが自分の同胞のために戦えば、彼はテロリスト、無法者である。次に、それは戦争と言われる!
ナチスは、ウクライナやフランスの抵抗戦士たちを“テロリスト”と呼んだ。
イスラエル軍は、パレスチナ抵抗軍を同じ名で呼んでいる。
西側は、いかなる合法の反逆者をも“テロリスト”と呼んでいる。ペルーのMRTAでさえ“テロリスト・グループ”だった。ピノチェトに対するMIR抵抗運動も“テロリスト”だった。レバノンの主として社会的な運動――ヒズボラ――も“テロリスト”と定義された。誇り高いエリトリア国全体も同じ名で呼ばれる。
イスラム教シーア派も“テロリスト”だが、それは西側が、湾岸のスンニ派怪物国家を支持しているからである。
チェ・ゲバラはテロリストだった。フィーデル・カストロとその下の指揮官マルコスも同じだった。ルムンバも同様だった。
西側とその従属体制国やNGOにとって、真の平和は、すべての天然資源が他国籍企業に捧げられたときにのみ、実現するだろう。
“平和”とは、何十億という悲惨な貧民が、おとなしく、対決することなく、彼らの貧民街で死んでいき、一方、わずか離れた先では、資本家、説教者、地主たちが私的な病院や学校をもっているような場合をいう!
しかしそのような平和は、二度と再び受け入れられることはないだろう!
よりよい世界のために、抑圧された人々のために戦うことは、詩を書くことに似ている。
戦争とは、あなたが略奪や凌辱を行い、抑圧するために、他者を支配するために人を殺すときのことである!
平和は、正義、特に社会的正義だけを土台とすることができる。そうでなければ、それは平和ではない。
***
ロシアとソビエト連邦は、多くの場合、生き残りをかけて戦った。ドイツ軍がそれを攻撃し、1917年の革命の後では、西ヨーロッパと北アメリカが攻撃した。それからドイツが再び攻撃した。何千万という人々が祖国を防衛して死んでいった。ワシントンやロンドンから、一言の謝罪も来たことはない!
中国はこじ開けられ、屈辱を与えられ、略奪された――首都の北京を含めて!それをやった者たち、イギリス人とフランス人が今、中国に“人権”と“自由”を教えている。実にグロテスクではないか!
いま西洋帝国主義に向かって立ち上がっている他の国を見よ!
イラン――植民地化され、社会主義の道を取ったときには破壊され、次にスハルト式の狂信者シャーによって侵され、後に、西側がバグダッドを武装化した後のイラクによって攻撃された。
ラテンアメリカ――数世紀にわたり、植民地およびネオ植民地遠征によって廃墟となり、アメリカで訓練された死の軍隊を伴う「モンロー主義」によって無と化し、誘拐と拷問の方法を訓練され、子供たちを両親の前で強姦することを教えられた。
もっとあげようか?韓国――何万という市民がアメリカ軍によって、トンネルの中で生きたまま焼き殺された。これは、いみじくも20世紀の最も優秀な調査ジャーナリストWilfred Burchettによって描かれた、人類史上最も残忍な戦争の一つだった。
インドシナ――7百万人が殺され、爆撃によって、あるいは生きたまま焼かれた。その数を知ることができるだろうか?ベトナムは現在、同盟国となっている!
南アフリカ、ジンバブエ、エリトリア・・・
そう、我々の同盟者となっているのは、かつて脅迫され、残忍な仕打ちを受け、焼き滅ぼされたが、奴隷として生きるよりは、再び立ち上がって抗戦する決意をした国々に住んでいる、約20億の人々である。
これらはすべて不完全な国々である。しかし骨の髄まで平和な国――自国の男、女、子供たちの生活を向上させるのを主たる目的としている国々で、しかもそうした国が世界中にある。
***
あなたには沈黙が聞こえないだろうか――アメリカがキューバとの関係を“正常化する”と決定したあとの沈黙が?なぜこんな恐ろしい沈黙があるかを、我々は誰でも知っているだろう。それは、何世紀もの間の、ラテンアメリカへの米国の関わりを考えれば、これは新しい破壊戦術、新しい攻撃の一部であろうと理解できるからである。実はキューバは、この数十年間で、最大の危機に直面しているのかもしれない!何が起こるかは確実にはわからない。しかし何か非常に恐ろしいことが起こると、我々は半ば確信できる。
西側はキューバに“葉巻反対運動”を起こすつもりだろうか?それとももう一つ別のカラー革命だろうか?
2015年には多くの戦争が起こるだろう。
しかし最も重要な第一歩はすでに踏み出された。
中国が大きな象徴的なジェスチャーを示した――静かに、うやうやしく、しかし決定的に。そのメッセージは明らかだ――「あなたが他国を破壊することを、許すわけにいかない!」――二度と再び。
「帝国」は崩壊しつつある。それは病んでおり、もう持たない状態にある。
しかしそれは毒をもっており、その病気は伝染するだろう。そのプロパガンダは強力で、その教義は激烈だ。
それが徐々に崩壊して過ぎ去り、世界を破壊することのないよう、世界を第三次大戦に引き込むことのないように願いたい。
個人と国家、運動と党が団結しようではないか――少なくとも最も危険な時期が過ぎ去るまで。
****
(Andre Vltcheckは小説家、映画製作者、調査ジャーナリスト。彼は数十か国の戦争や紛争を扱っている。その結果が最近の本となった:Fighting Against WesternImperialism。Pluto社がノアム・チョムスキーとの彼の対談を出版した:On Western Terrorism。彼の批判と絶賛を受けた政治小説Point of No Returnは、再編集されて発売されている。Oceaniaは、南太平洋における西側帝国主義についての彼の著書。彼の挑発的な、スハルト後のインドネシアと市場根本主義モデルについての本は、Indonesia—The Archipelago of Fearというタイトルになっている。彼の呼び物のドキュメンタリーRwanda Gambitは、ルワンダの歴史とコンゴ民主共和国の略奪の物語である。長年、ラテンアメリカとオセアニアに暮らした後、ヴルチェックは現在、東アジアとアフリカに住み、仕事をしている。彼のウェブサイトとツイッターは下の通り――http://andrevltchek.weebly.com/https://twitter.com/AndreVltchek)
私は頭を下げ、中国がロシアを助けるために示してくれた温情にお礼を述べた。
ホテルを出る直前、私はRTで次のニュースを読んだ――
中国外務省は、制裁と石油価格下落のために経済の下降に直面するロシアに対し、援助を約束した。中国元での取引を盛んにすることが北京通商省の提案する解決策だ。
月曜日のチャイナ・デイリーによれば、王偉外相は、「ロシアは現在の経済的困難を克服する能力と知恵をもっている。もしロシア側が必要なら、我々は力の及ぶ限り必要な援助を提供する...」と記者団に話した。
この場合、北京で、決して私はロシア連邦を代表していたわけでなく、私の友人も、その夜の夕食の席で、中国を代表していたのではなかった。それは数人の友人たちとの私的な会合にすぎなかった。
私は実は、「公的には」ロシア人ではない。確かに私はレニングラードで生まれたが、生涯のほとんどすべてを他所で過ごした――正確には、世界のあらゆる場所で。そして私の血管内で、それが特に重要でもない。私は混血であり、私の血管を流れているのは、ロシア、中国、ヨーロッパの入りまじった血液だ。
しかし最近、ロシア人であることは、私にとっても他の多くの人々にとっても、単なる血以上の意味をもっている。「私は反逆者だ、したがってロシア人だ」と、アルベール・カミュを真似て言うことができる。あるいは、「私は闘争を放棄することを拒否するがゆえに、ロシア人だ。」Ya Russkii!(私はロシア人だ!)Cubano soy! (私はキューバ人だ!)――そう言うだけで気分がよく、誇りと力を与えてくれる。
***
世界はいま混乱の只中にある。1940年代初期のように、何か途轍もないもの、取り返しのつかないものが、形を取ろうとしている。
我々ほとんどすべての者たち――この「帝国」を分析しようとして、彼らのプロパガンダや、それが拡散させるニヒリズムや、この地球のあらゆる隅々まで伸ばした毒をもつ触手と戦ってきた者たちは、西側の帝国主義を“宥めすかす”ことは、はっきりと不可能であり、非現実的であり、不道徳でさえあることを知っている。
ジョージ・W・ブッシュが(明らかに逐次解釈派キリスト教のレトリックを借りて)「あなた方は我々につくか敵対するか、どちらかだ」と好んで言ったように、諸国はいま明らかにその瀬戸際に立たされている。彼らは、西側のネオ植民地主義教義を受け入れるか、それとも、イラク、アフガニスタン、リビア、シリアのように、次々と破壊されるか、どちらかだ。
理屈は通らない、交渉も、国連による国際的調停も不可能。妥協の意欲を示すと一蹴される。単純な人間の同情に訴えることは、「帝国」の支配者たちには全く無効だ。
帝国が最後の攻撃の準備をしているのは明らかである。彼らが後ろへ下がることはない。彼らは攻撃し、破壊し、殲滅するだろう。いつかは分からないが、必ずそうする。そしてそれは遅れるよりは早まるだろう――しかも恐るべき暴力が用いられるだろう。
こう尋ねる人があるかもしれない――「なぜ今なのか?なぜ今、惑星の全面支配を得るための最終決戦を、それほど急がなければならないのか?」
答えは非常にはっきりしている。「帝国」に対する世界の反感が、今始めて、広範囲に起こってきたからである。多くの人々が盲目を癒されつつある。
善意と合理主義の仮面は引きはがされつつある――ラテンアメリカ、ロシア、中国、イランなどの諸国にベースをおく強力なメディアによって、また、独立メディアが次第に重要な役割を果たすようになった北米においても。それはもはや、何か込み入った“客観性”といった問題でさえなくなった。事態を正しく捉えるには、ファッシズムを遠慮せずファッシズムと呼ぶこと、そして「帝国」があらゆる大陸で行っていることを、大量殺人と呼ぶことが肝要である!
仮面は落ちた。そして今現れたのは恐ろしい怪物の顔である――血と膿、貪欲の薄ら笑いと無慈悲の牙をもつ顔だ。それはいまだに自己愛に溺れ、自分の恐ろしさを見ることのできないでいる顔である。それはいまだに自分の原理主義的宗教教義を誇りとしており、それを“宗教的”としてさえ見ていない。それは自己正当性の上に胡坐をかき、同時に、あらゆるもの、あらゆる人間が売り物であるという、ゆがんだ市場根本主義的信念の上に胡坐をかいている。それは優越感・劣等感、両方のコンプレックスに満ち満ちた怪物である。それは幸福な怪物ではない。
そしてそれが生み出すのは、たいてい悲惨で、孤独で、怯えた人々だ。しかしそれは変わることができない、引き下がることができない、手離すことができない。それは、自分たちが何年も、何十年も、何百年も、完全に間違った道を歩いていたことを認めるよりは、自分の子供も世界も滅ぼしてしまう方がよいと考えている。
ところで今、多くの人々がもう限界に達した。ある人々は怖れることも忘れてしまった!そして怪物はそれを知っている。実は怪物は自分自身も怯えていて、それを怖れない人々を怖れている。
声なき人々の声が今、ますます大きく響き渡り、その証拠が現れている!
インドネシアやマレーシアのような、知識階級や“エリート”が完全にいなくなった国々を除いて、ヨーロッパや北米の植民地主義、ネオ植民地主義の身の毛もよだつ行動が、やっと議論され、分析され、理解されるようになった。
そしてこの怪物、この「帝国」は、これが終わりの始まりだということを知っている。
それは同等の存在として生きることはできない。したがってそれは最後の戦いを戦おうとしている。それは勝とうとするだろう。あるいは世界を滅ぼそうとするだろう。なぜなら彼らにとって、世界を完全に支配できないなら、生きる意味がないからである――彼らの神が支配できないのなら、彼らがその神の託宣の執行者として見てもらえなければ――。
***
私が、ベイルートやアンマンの理髪店に入り、「あなたはどこの国の人?」と問われるとき――ほんの数年前まで、その質問に答えるのは、苦しく、当惑する複雑な思いだった――私はいま単純に「ロシアだ」と答える。すると人々は、やってきて私を抱き「ありがとう」と言う。
それはロシアが完全だからではない。ロシアは完全な国ではない――地上のどんな国もそんなことはありえないのだから。理由はただ、ロシアが再び「帝国」に立ち向かっていること、そして「帝国」は、あまりにも多くの恐怖と屈辱を、あまりにも多くの人々に、世界の何十億の人々に与え、...そして彼ら、あまりにも多くの者たちにとって、「帝国」に立ち向かう者は誰であろうと、英雄だからである。これを私は最近、自分の耳で聞いた――エリトリアの人々から、中国、ロシア、パレスチナ、エクアドル、キューバ、ベネズエラ、南アフリカの人々から――そのわずかの例をあげても。
そしてこれこそ「帝国」が今、もうこれ以上待てず、これほど急いでロシアを挑発している理由である。彼らはいま、比ゆ的に言えば、古代において、厚い氷の上でアレクサンデル・ネフスキーが戦ったような、もう一つの公然たる壮大な戦いに、ロシアを誘い込もうとしているのである。
「帝国」はあまりにも急いでおり、あまりにも怖れているので、これまであらゆる侵略者が学ばねばならなかったことを、考えることも理解することも思い出すこともできないでいる――ロシアを攻撃し、ロシア民族を何百万と殺すことが、いかに難しいかということを。荒廃と火の海、廃墟、涙と墓、墓、墓という事態は起こり得る。息子を埋葬する母親、帰ってきたが焼け跡しか見いだせない息子――。しかしロシアは敗北することはない。世界の存続が危機にあるとき、ロシアは巨大な、強力な、恐ろしい存在として立つ。そして、もしそれが他の国にできないような戦いをするとしたら、それは人類のために戦うのであって、自分自身のためだけではない。そしてそれは勝つ。
そのような時がやってくるとしたら、ロシアを敗北させる方法は一つしかない――全世界を破壊することである。
オバマさんよ、あなたはその用意があるのか?アメリカ・ヨーロッパ企業よ、その覚悟はあるのか?ペンテコステ派、テレビ伝道派、その他の道徳的欠陥をもつ人々よ、その覚悟はあるのか?
考え直すがよい。あと一歩であなた方は、2大国が、そして何十と群小国が、人類の生き残りをかけて戦い始めるのを見るだろう。
あなた方の唯一の強みは、あなた方の大量破壊兵器、したがって恐怖の拡大にある。そしてあなた方の主張のほとんどは、真理でなく、騙しとウソを根拠とすることしかできない。今年、私はあなた方の行為を、イラク、エリトリア、中国、ウクライナ、アメリカ全土、そして中東において目撃した。
***
その恐怖の植え付け、プロパガンダ、“教育”という名の洗脳にもかかわらず、「帝国」はその地球的権力を失い始めている。そしてそれは怯えている。なぜなら、手に鞭を持つこと以外に、生きるすべをそれは知らないからである。地球惑星は、その支配者が不吉で、無情で、堕落していることを理解している――ある人々は論理的に明確に理解しているが、別の人々は、直観的にそれを嗅ぎ取っている。もし本当に地球的デモクラシーが存在するなら、この惑星の人々は、現存の権力構造を犬に投げ与えるであろう。しかしそれは存在しない、今はまだ存在していない。歯の抜けた、いつも屈辱を味わっている国連を見るがよい。ほとんどあらゆる場所で、投票とは、紙切れを箱に入れるだけの意味のない行動になっている。
***
2015年が近づいている。この年の間に、誰が我々人類の存続のために戦っており、誰が抑圧と帝国主義の側、「帝国」の側にいるのかが明らかになるだろう。
来年は、もっともっと多くの国が、不安定化されるか攻撃されるだろう。おそらく何百万という人々が殺されるだろう。それは毎年のことだが、今度ははるかにより多くの人々が殺されるだろう。西側世界のつくり出す“反対運動”や、さまざまのキリスト教グループ、その他の右翼宗教派閥が、帝国主義的抑圧と市場根本主義の側に、頑強に立ち続けるであろう。西側とほとんどすべての“依存国”の保守的なプチ・ブルジョワが、自分たちの特権を守るために戦うであろう。ファッシスト的な家族構造が、子供や若者たちを脅かし続け、彼らに考えさせない、反逆させない、生かさないようにするであろう。
「帝国」は世界中に多くの同盟国をもっているが、彼らの多くはきわめて油断のならない者たちだ。しかし彼らの最も重要な味方は常に、無知、隷属、それに恐怖である。
これに対して、真の革命である我々の革命と、より良い世界を目指すための抵抗と戦闘は、常に知識に基づいていて、要するに愛の行動以外の何ものでもない。
***
我々の先にある戦いはきわめて困難なものとなるだろう。それは大きな国民国家やグループや運動団体を巻き込む、壮大な戦闘になるであろう。
恐ろしいロシアの熊が叩かれて軍事的戦闘へと挑発されようとするとき、大きな中国の竜が防備のとぐろを巻く決意をしていて、この場合には、彼らは西側によって攻撃される弱小国の救済に駆けつけることを、間接的だが明確に宣言している。ニューヨーク・タイムズでさえ次のように報道している――
習近平氏はアメリカを名指しはしなかったが、こう言って、間違いなくワシントンにジャブを食らわせた――「多極世界へ向かう高まる傾向は変わることはないだろう」。これは、唯一のスーパーパワーとしてのアメリカの、冷戦後の役割は終わりに近づいているという、中国の見解を述べたものだ。
目標は、西洋の帝国主義と植民地主義に、決して再び地球惑星を支配させないこと――19世紀の終わりと20世紀の初めに、何千万という人命の犠牲において、彼らがやった無慈悲な行為を繰り返させないことである。
略奪と強姦と占領の数世紀のあとで、西洋は、世界を支配するいかなる天命も受けていない。
絶えず自らの恐ろしい行為を正当化し、栄光化し、この惑星を洗脳して、自分たちが野蛮人たち(残りの世界)に進歩と合理主義をもたらしたのだと信じさせた後で、彼らが、人々を“教化し教育する”役割を与えられることはない。
そのために我々は現在、独立メディアをもつようになり、またヨーロッパや北米の宣伝や洗脳に屈しない国々にベースを置く、強力な、国家主導のメディアをもっている。
このメディアと教育制度は、歴史と現代の物語全体を書き直すべきであり、そうするだろう。例えば――
アメリカ合衆国の“建国の父”たちの知恵を栄光化するのでなく、北アメリカは、土着の人々の想像を絶する苦しみ、キリスト教徒の頑迷と強制改宗、ジェノサイド、土地の強奪などの上に築かれたことを、思い出させるべきである。そしてそれは、“アメリカ人”と呼ばれる、どこかの新しい地球外の種族や民族によってなされたのでなく、すでに何世紀にもわたってアジア、アフリカ、中東全域で殺人を行ってきた、同じヨーロッパのピューリタンや宗教グループによるものであることを、思い出させるべきである。
“新しいアメリカ”は、南北とも、現代を予言するかのように、恐怖、暴力、それに強奪の上に創られた。
我々は、鎖につながれてアフリカから連れてこられた奴隷たちを思い出すべきだ。彼らのほとんどは航海中に死に、女も子供も辱められ、永遠の烙印を押され、男たちの誇りは剥ぎ取られた。
女や少女はその後は畠で鎖につながれ、“ピューリタン”の白人農夫の性的玩具になった。男や子供の、少なくとも生き残った者たちは夜も昼も働かされた。
すべてこれらは、十字架と進歩と“民主主義”の陰にかくれて行われた!
これがアメリカ建国の実情である。これが“自由の国の偉大な始まり”の本当の物語、実話である。
これは隆盛と華美を誇ったヨーロッパでも同様であり、西洋の体制が常に機能してきたやり方だった。
我々はこの種の世界が、あと数十年も、数世紀も続くことを望むだろうか?
私は、パリジャンやロンドナーやニューヨーカーにこれを訊ねているのではない。私はこれを、ジャカルタの腐敗した実業家や、キンシャサの道を踏み外した説教者や、キガーリのトップ軍人層や、グアテマラの殺し屋封建領主に訊ねているのではない。
いかなる人道主義者も、いかなる同情をもつ人間も、この種の腐った世界を望む者はいない!
そして今、歴史上初めて、人々は怖れずそれを言うようになった――あるいは少なくとも、聞いたり読んだりするようになった!
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“平和”とは、あらゆる手段を用いて勝ち取り、維持すべきもののことだ――と、我々は繰り返し繰り返し聞かされてきた。
しかし、どんな平和を我々は目指しているのか、また誰のための?
「帝国」が望んでいる“平和”協定とは、キューバやロシア、ベネズエラや中国のような国々が、引き下がって、あきらめ、降伏するような平和である。それは平和ではない!
我々は、ヨーロッパと北米の主人によって支配され、一部の奴隷は汚物の中を這うような、そんな世界に、平和に生きるように求められ命じられている。
我々は、この人種差別的、帝国主義的なシステムがそこに築かれている、この唯一の宗教的ドグマに屈服するように期待されているのだろうか?
何という展望、何という平和だろう!
彼らにとって、帝国主義的西洋にとって、平和は一つの意味しかもたない――反対されない惑星支配のことだ。
もし誰かが自分の同胞のために戦えば、彼はテロリスト、無法者である。次に、それは戦争と言われる!
ナチスは、ウクライナやフランスの抵抗戦士たちを“テロリスト”と呼んだ。
イスラエル軍は、パレスチナ抵抗軍を同じ名で呼んでいる。
西側は、いかなる合法の反逆者をも“テロリスト”と呼んでいる。ペルーのMRTAでさえ“テロリスト・グループ”だった。ピノチェトに対するMIR抵抗運動も“テロリスト”だった。レバノンの主として社会的な運動――ヒズボラ――も“テロリスト”と定義された。誇り高いエリトリア国全体も同じ名で呼ばれる。
イスラム教シーア派も“テロリスト”だが、それは西側が、湾岸のスンニ派怪物国家を支持しているからである。
チェ・ゲバラはテロリストだった。フィーデル・カストロとその下の指揮官マルコスも同じだった。ルムンバも同様だった。
西側とその従属体制国やNGOにとって、真の平和は、すべての天然資源が他国籍企業に捧げられたときにのみ、実現するだろう。
“平和”とは、何十億という悲惨な貧民が、おとなしく、対決することなく、彼らの貧民街で死んでいき、一方、わずか離れた先では、資本家、説教者、地主たちが私的な病院や学校をもっているような場合をいう!
しかしそのような平和は、二度と再び受け入れられることはないだろう!
よりよい世界のために、抑圧された人々のために戦うことは、詩を書くことに似ている。
戦争とは、あなたが略奪や凌辱を行い、抑圧するために、他者を支配するために人を殺すときのことである!
平和は、正義、特に社会的正義だけを土台とすることができる。そうでなければ、それは平和ではない。
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ロシアとソビエト連邦は、多くの場合、生き残りをかけて戦った。ドイツ軍がそれを攻撃し、1917年の革命の後では、西ヨーロッパと北アメリカが攻撃した。それからドイツが再び攻撃した。何千万という人々が祖国を防衛して死んでいった。ワシントンやロンドンから、一言の謝罪も来たことはない!
中国はこじ開けられ、屈辱を与えられ、略奪された――首都の北京を含めて!それをやった者たち、イギリス人とフランス人が今、中国に“人権”と“自由”を教えている。実にグロテスクではないか!
いま西洋帝国主義に向かって立ち上がっている他の国を見よ!
イラン――植民地化され、社会主義の道を取ったときには破壊され、次にスハルト式の狂信者シャーによって侵され、後に、西側がバグダッドを武装化した後のイラクによって攻撃された。
ラテンアメリカ――数世紀にわたり、植民地およびネオ植民地遠征によって廃墟となり、アメリカで訓練された死の軍隊を伴う「モンロー主義」によって無と化し、誘拐と拷問の方法を訓練され、子供たちを両親の前で強姦することを教えられた。
もっとあげようか?韓国――何万という市民がアメリカ軍によって、トンネルの中で生きたまま焼き殺された。これは、いみじくも20世紀の最も優秀な調査ジャーナリストWilfred Burchettによって描かれた、人類史上最も残忍な戦争の一つだった。
インドシナ――7百万人が殺され、爆撃によって、あるいは生きたまま焼かれた。その数を知ることができるだろうか?ベトナムは現在、同盟国となっている!
南アフリカ、ジンバブエ、エリトリア・・・
そう、我々の同盟者となっているのは、かつて脅迫され、残忍な仕打ちを受け、焼き滅ぼされたが、奴隷として生きるよりは、再び立ち上がって抗戦する決意をした国々に住んでいる、約20億の人々である。
これらはすべて不完全な国々である。しかし骨の髄まで平和な国――自国の男、女、子供たちの生活を向上させるのを主たる目的としている国々で、しかもそうした国が世界中にある。
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あなたには沈黙が聞こえないだろうか――アメリカがキューバとの関係を“正常化する”と決定したあとの沈黙が?なぜこんな恐ろしい沈黙があるかを、我々は誰でも知っているだろう。それは、何世紀もの間の、ラテンアメリカへの米国の関わりを考えれば、これは新しい破壊戦術、新しい攻撃の一部であろうと理解できるからである。実はキューバは、この数十年間で、最大の危機に直面しているのかもしれない!何が起こるかは確実にはわからない。しかし何か非常に恐ろしいことが起こると、我々は半ば確信できる。
西側はキューバに“葉巻反対運動”を起こすつもりだろうか?それとももう一つ別のカラー革命だろうか?
2015年には多くの戦争が起こるだろう。
しかし最も重要な第一歩はすでに踏み出された。
中国が大きな象徴的なジェスチャーを示した――静かに、うやうやしく、しかし決定的に。そのメッセージは明らかだ――「あなたが他国を破壊することを、許すわけにいかない!」――二度と再び。
「帝国」は崩壊しつつある。それは病んでおり、もう持たない状態にある。
しかしそれは毒をもっており、その病気は伝染するだろう。そのプロパガンダは強力で、その教義は激烈だ。
それが徐々に崩壊して過ぎ去り、世界を破壊することのないよう、世界を第三次大戦に引き込むことのないように願いたい。
個人と国家、運動と党が団結しようではないか――少なくとも最も危険な時期が過ぎ去るまで。
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(Andre Vltcheckは小説家、映画製作者、調査ジャーナリスト。彼は数十か国の戦争や紛争を扱っている。その結果が最近の本となった:Fighting Against WesternImperialism。Pluto社がノアム・チョムスキーとの彼の対談を出版した:On Western Terrorism。彼の批判と絶賛を受けた政治小説Point of No Returnは、再編集されて発売されている。Oceaniaは、南太平洋における西側帝国主義についての彼の著書。彼の挑発的な、スハルト後のインドネシアと市場根本主義モデルについての本は、Indonesia—The Archipelago of Fearというタイトルになっている。彼の呼び物のドキュメンタリーRwanda Gambitは、ルワンダの歴史とコンゴ民主共和国の略奪の物語である。長年、ラテンアメリカとオセアニアに暮らした後、ヴルチェックは現在、東アジアとアフリカに住み、仕事をしている。彼のウェブサイトとツイッターは下の通り――http://andrevltchek.weebly.com/https://twitter.com/AndreVltchek)